卓上型浄水器
このページが本当のメインページです。長文ですが、ここを読めばあなたも浄水器の達人になれます。
すべて現場の実体験からの内容です。
卓上型浄水器
これは最も一般的な型で、ホームセンターで売っている数万円台のものから、システム販売や訪販で売っている400,000円台まで幅広い分野です。
形式的には、蛇口で分岐して浄水器本体から水が出てくる1WAY(ワンウェイ)タイプと、蛇口で分岐して本体に行ってまた蛇口に戻ってくるホースが2本ついた2WAY(ツーウェイ)タイプがあります。

使い勝手は2WAYの方が上です。 コックをひねってその蛇口から水が出てくるのと別の場所から水が出てくることを考えれば判ると思いますが。
コックをひねって蛇口にコップを用意して水が出てくるのを待っていたら、別のところから水が出てきたという経験を何度もして、そのたびに笑ってしまいます。
でもまあこれは慣れの問題ですね。

ではホームセンターで売っているものと訪販で売っているものと何が違うのでしょう。
言い換えれば、安いものと高いものとどう違うのでしょうと言うことになりますが。
浄水性能(フィルターのもち)は確かに訪販のものの方が上です。でもそれはフィルターの大きさの違いが大きいように思います。
浄水性能は大体の場合、フィルターの材質と大きさで決まります。

浄水メカニズムの基本は「吸着」と「ろ過」です。塩素等は活性炭で吸着し、ゴミ等は微細な穴でろ過します。
微細な穴を持った素材が色々あります。 活性炭もそうですし、中空糸膜もそうです。
と言うことは、活性炭の量が多ければ多いほどよく塩素を吸着し、その寿命も長いと言うことになります。
訪販のものは大体が本体サイズが大きい。 小さくて高いより大きい方が値段もつけやすいのでしょう。
でも一般的にシステム販売や訪販の製品は高性能なものが多いことも事実です。でもやっぱり高すぎる。
卓上型で200,000円を超えたら間違いなくシステム販売や訪販の商品です。

別にシステム販売や訪販が悪いとは言いません。 それはそれで法にのっとったひとつの流通形態ですから。
ただ、この販売形態の場合、販売する人あるいは紹介者が水や浄水器のプロではなく、売ればあるいは紹介すれば利益になるため自分もよく知らないまま売っているケースが多い。
またこの利益還元のため価格が高いことも事実です。
自分の親戚知人に紹介し終えるともう販売先がなくなり、販売を止めてしまう。
後のメンテナンスもままならない。 買った人は困ってしまう。 こういうパターンが実に多い。
私のところにこのケースでのメンテナンス依頼が結構来ます。

このタイプを使っているお客様の最大の不満は邪魔。
次に、コックの切替が面倒、給水ホースが汚れて不潔。
そして意外にもお客様は直接口に出しては言いません(言いたくない?)が切替コックの汚れ。
この切替コックの汚れは雑菌が繁殖したものなんです。 どこの家に行っても100%黒い汚れがこびりついています。
これではせっかく浄水したきれいな水が雑菌の中を通ってくるようなものです。 蛇口先端付けも同じです。

それとたまに呼ばれて修理に行くのが、切替コックを取付けている蛇口(シングルレバータイプ)の断熱キャップの破損。
断熱キャップはほとんどがプラスチックで、そのプラスチックのネジに切替コックを付けます。
そうすると吐水口が4~6cm位下がります。 そこに洗い物のなべなどがぶつかり断熱キャップが破損するわけです。
ほとんどの場合は、断熱キャップの上部にひびが入るので、水が霧のように噴出します。
応急処置でここにビニールテープを巻いている人が多いですね。

賃貸や転勤が多い人などで、どうしてもこのタイプしか付けられない場合は、アメリカ製のマルチピュア(弊社でも販売しています)がおすすめです。
以前は料理の鉄人で一躍有名になったシーガルフォーをお薦めしていましたが、今はマルチピュアの方が性能は上です。
値段も定価10万円程度とそこそこで、浄水性能は世界№1です。 これは井戸水でも使えます。
パンフレットには井戸水でも使えるとは書いてありませんが、浄水能力が井戸水でも使える能力を持っています。

最近話題になった「ヒ素」も大丈夫です。ただしこれはNSFの試験項目にありませんので、NSFでは試験していません。
カリフォルニアの別の試験所で試験してOKになっています。
井戸水でも使える浄水器というのは意外と少ない。
井戸水には何が入っているかわからない。 特に怖いのは農薬(殺虫剤)です。
井戸の周りに農地が有ったら要注意です。
農薬も除去できる浄水器を使ってください。それも第3者機関で試験した試験結果がきちんと出ているものです。
本来井戸水では使えない浄水器を使っているお客様をたくさん知っています。
それだけお客様の水や浄水器に対する知識が少ないということですね。
いや、販売側も似たりよったりか、知ってても売りつけてしまっているか。
知人から紹介されて購入する場合に最も多いケースです。
パンフレットにはちゃんと水道専用と書いてあるのに、知人から紹介されたものだからよく読まないで買ってしまうんでしょうね。

卓上型を使う場合はくれぐれも切替コック回りは清潔にしてくださいね。 それと絶対にお湯を通してはいけません。
我家もこれで1台ダメにしました。

よく、逆流洗浄機能がついているからフィルターを〇年間交換しなくてよいという浄水器もありますが、水の汚れの実態を見てください。
1年でこんなに汚れるのにどうして何年ももつといえるのか不思議です。 もし何年ももつとしたらこの汚れは一体どこへ行ってしまうのか。
逆洗洗浄で取れる程度の大きい汚れしか取ってないんじゃないかと思ってしまいます。
汚れが消滅するわけありませんから。
それに、塩素や有害化学物質は活性炭の吸着能力により除去しています。
逆流させる水にも当然塩素が含まれているわけで、その塩素も吸着してしまうはずです。
反対から流したから吸着した塩素を放出すると言うこともありません。

フィルターはやはり1年に1回程度は交換した方が良いと思います。

はっきり言います。フィルター交換のいらない浄水器は存在しません。

2WAYタイプの場合、フィルター交換しても浄水から塩素反応が出ることがあります。
これは、分岐栓内部に汚れが付着して、浄水器に行く原水と浄水器から帰ってくる浄水が分岐栓の中で混ざってしまう現象です。
分岐栓を交換すれば直ります。直らなければフィルターの性能が低いか不良品です。
フィルター交換を業者にやってもらっているのなら、交換後必ず塩素試薬で検査してもらってください。
塩素試薬を持っていない業者なんていないはずですから。
コラム

分岐栓を悪用する業者もいます。 切替コックを完全に切り替えない(少し原水が混じるようにしておく)で浄水を出し、塩素反応が出るからこの浄水器はだめです。
別の浄水器に買い換えてくださいというやり方です。